日々のスケジュールを無理なくやりきるための優先順位設定マトリクス

以下のようなマトリクスはよく見かけます。

緊急である 緊急でない
重要である 第1領域 第2領域
重要でない 第3領域 第4領域

放っておくと、トラブル対応や締め切りのある仕事といった、緊急かつ重要な仕事(第1領域)に時間を取られてしまい、次への種まきともいえるスキルアップや戦略策定といった、緊急ではないが重要な仕事(第2領域)にちっとも時間を割けずにジリ貧になる、という説明がなされます。

 
ちなみに僕自身は『成果を5倍にする ライブハックス!』という本の中でこのマトリクスの各要素に次のような名前をつけて紹介しています。

緊急である 緊急でない
重要である 憂い 備え
重要でない 穀潰し 憂さ晴らし

成果を5倍にする ライブハックス! (ゴマ文庫)
発売日:2009-03-02
おすすめ度:5.0
おすすめ度5 時間畑(=人生)を作って耕して成長させて充実させて・・・


 
ただ、このマトリクスは現状分析をするのには役に立ちますが、そこから一歩踏み出すためには足りません。つまり、第3領域や第4領域(穀潰しや憂さ晴らし)はそもそもする必要のないことばかりなのですから、第1領域と第2領域について、より詳細に分析する必要があるのです。

言い換えれば、第1領域と第2領域(憂いと備え)には分解の余地がある、ということです。

 
結論から言ってしまえば、「意志を必要とするか」という軸を加えた次のマトリクスが、一歩踏み出すうえで役に立ちます。

重要である 緊急である
意志必要 A.攻めの布石
顧客の維持・開拓
商品開発・改善
仕組みづくり
B.ブレインワーク
原稿執筆
ミーティング
コンサルティング
意志不要 C.守りの布石
読書
情報収集
会食
伝票整理
D.ルーチンワーク
支払処理
予約手配
書類整理
メール返信

別の視点でまとめると次の通り。

特徴 時間帯
A.攻めの布石 すべてに優先する、未来を創るための重要なタスク 早朝に行う
B.ブレインワーク 実質的な売上を稼ぐためのタスク 午前中〜午後に行う
C.守りの布石 普段からコツコツ積み上げていくことで大きなリターンが期待できるタスク 夕方に行う
D.ルーチンワーク 早ければ早いほど憂いのなくなるタスク(仕組み化がカギ) 夜間に行う

 
エネルギーに満ちた朝一番から片手間にできる伝票の整理をするのはいかにももったいないですし、疲れている夜遅くに集中力を要する原稿執筆やコンサルティングを持ってくるのは非効率。

ポイントは意志が必要かどうかという視点。一日の終わりに近づくにつれて、初めは勢いよく放出されているエネルギーも、徐々にその勢いを失っていきます。ちょうど、切れかけたポンプ式のボディシャンプーのように、最後は押してもスカスカになるのです。

朝一番にその日一日のスケジュールを作る(=抱えているタスクについて取りかかる順番を決める)という人は少なくないと思いますが、その時に意志を必要とするかどうかに注目すると、有限のエネルギーを効率よく使えるようになるはずです。